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準備編1
ブリーダー直販のメリット

そこへ行けばいつでも仔犬を眺めることができる手軽なペットショップと違い、ブリーダーから購入するのは確かにひと手間必要です。
それでも、良い仔犬を迎えるためにブリーダー直販が選ばれているのは、さまざまなメリットがあるからなのです。
  • merit 01優れた資質の仔犬と出会える
  • merit 02ブリーダーは特定の犬種においての専門家
  • merit 03血統はお墨付き。はっきりした身元も安心
  • merit 04適切な血統管理を行い、先天的な病気のリスクが低い
  • merit 05中間業者を介さず、適正な価格で購入できる
  • merit 01優れた資質の仔犬と出会える
    飼い主さんと仔犬との出会いは容姿を含めた第一印象。それも重要なポイントですが、ブリーダーは容姿以上に健康管理や遺伝子疾患の有無に配慮しています。育てる過程で仔犬の性格も見極めているので、飼い主さんやご家族のご希望に合った性格についてもアドバイスしてくれます。容姿、健康、性質ともに優れた資質の仔犬が揃っていることが、ブリーダー直販の最大のメリットです。
  • merit 02ブリーダーは特定の犬種においての専門家
    同じ犬でもトイプードルとゴールデンレトリーバーでは大きさも特性も異なり、育て方も違います。ブリーダーは特定の犬種について確かな知識を持ち、その犬種の飼育においては多くの経験を積んでいるプロフェッショナルです。
    ブリーダーにとって、繁殖した仔犬たちは我が子と同じ。仔犬が飼い主さんに愛されて幸せに暮らすことが、ブリーダーの願いです。飼う前も飼った後も、飼育に関する相談ごとには親身になって応じてくれます。
  • merit 03血統はお墨付き。はっきりした身元も安心
    血統に恵まれた犬は、美しい容姿に加えて健康面、性質的にも優れていることが多いと言われます。ブリーダーのもとには、ドッグショーで優秀な成績に輝いた親犬やそうした先祖犬の血を引く仔犬がたくさんいます。
    血統書の信頼性はもちろん、親犬やきょうだい犬の様子からブリーダーの飼育環境まで、身元がはっきりしています。そういう点では、販売までのルートがわからないペットショップと比べて安心です。
  • merit 04適切な血統管理を行い、先天的な病気のリスクが低い
    仔犬を迎える際、気をつけたいのが遺伝性疾患と感染症です。ブリーダーは適切な血統管理と計画的な繁殖のもと、遺伝性疾患をもった仔犬が生まれてこないよう注意しています。また、犬舎内の清掃を徹底するほか、流通が不要な直接販売のため、仔犬が感染症にかかるなどの健康を害するリスクはほとんどありません。
  • merit 05中間業者を介さず、適正な価格で購入できる
    ブリーダーが飼い主さんへ直接販売する、ブリーダー直販。ペットショップのように中間業者を通さないため、中間マージンが発生しません。優良な仔犬を適正な価格で購入できることは大きなメリットです。

準備編2
仔犬を迎える前の心がまえ

仔犬のいる暮らしを想像すると、かわいくて楽しいシーンばかりが浮かんできます。
とはいえ、仔犬を迎えることはひとつの命を育てること。排泄もすれば病気やけがになることもあり、「かわいい!」だけではありません。
仔犬はこれから長く一緒に暮らす家族です。
最初はコロコロしたかわいい仔犬も1年後には成犬らしいからだつきになり、10〜12年先は老犬に近づいていく。
「かわいい!」という衝動に駆られて飼ったまではいいけれど、途中で愛情を注げなくなり放り出してしまっては、わんちゃんにとって不幸なことです。
わんちゃんとの暮らしには、時間・お金・体力が必要です。そのことを前提として、仔犬を迎える前になぜ飼いたいのかを考えてみましょう。
以下の心がまえを参考に、「仔犬を育てる」責任を自覚した上で、かわいい仔犬を迎え入れましょう。
小型犬写真
  • 1
    どうして仔犬が飼いたいのですか?
    一時的なブームに流されていませんか?
    どうして仔犬が飼いたいのですか? 一時的なブームに流されていませんか?
    わんちゃんは命ある生き物です。流行や、誰かのまねをしたり、見栄や体裁で飼おうとするのは危険です。どれかに該当するのであれば、初めから飼わないほうが不幸なわんちゃんが生まれません。
  • 2
    仔犬とともに過ごす、
    十分な時間はありますか?
    仔犬は社会性を身につける上でも新しい生活を知る上でも、飼い主さんとの時間が必要不可欠です。
  • 3
    家族全員の協力体制は
    整っていますか?
    仔犬が幸せに暮らすためには、飼い主さんと同じ屋根の下で生活する家族の協力も大切です。仔犬を迎える前に飼うことへの理解を得るのはもちろん、散歩やエサ当番などルールを決めておくのもいいでしょう。
  • 4
    家の中に仔犬がくつろいで暮らせる環境は
    整っていますか?
    自由に動き回り、眠り、食事ができるスペースを用意してください。
  • 5
    経済的な負担が月々どれくらいか
    把握していますか?
    食事、トイレシート、消臭スプレーといった日用品のほかに、動物病院での定期診断やワクチン接種など、様々な費用がかかります。その点も、あらかじめ理解しておきましょう。
  • 6
    いつか迎える最期のそのときまで、
    たっぷりと愛情を注いであげられる覚悟はありますか?
    わんちゃんは簡単に捨てたり、取り替えられるモノではありません。一度、仔犬を迎えたら、10〜15年の長きに渡り、ともに時間を過ごし、面倒を見続けなければなりません。それ以上に、日々の生活の中でわんちゃんは飼い主さんに癒しや無条件の愛を与えてくれます。わんちゃんは大切な家族の一員ということを、どうぞお忘れなく。

準備編3
仔犬を迎えるための飼育グッズ

仔犬という新しい家族がやってくる前に、飼育に必要なグッズを揃えておきましょう。
来る当日から使うものを含め、これだけは揃えておきたいBEST8を紹介します。飼い主さんやご家族の心の準備も不可欠。
世話の役割分担やしつけの方針などを話し合いながら、仔犬が安全に暮らせる環境を整えておきます。
  • Item
    01
    ケージ、サークル
    ケージやサークルは、仔犬が落ち着いて過ごせる場所です。長く使用することを前提に、頑丈で仔犬が乗り越えられない高さのものを準備します。スペースが広いサイズのものはトイレやベッドを置くことができ、留守番やトイレトレーニングにも便利。屋根付きタイプであれば乗り越えを防ぐほか、ケージの上に飼育グッズが置くこともできます。
  • Item
    02
    ベッド
    専用の寝場所としてベッドも用意。かまれても破れない丈夫なもので、取り外して洗えるカバー付きがおすすめです。平らなものは仔犬がトイレと間違える可能性。きちんと区別できるような厚みがあり、首を乗せて寝られるような段差のあるデザインが良いでしょう。
  • Item
    03
    トイレ
    トイレシートとそのトレーも必須アイテム。トイレシートは毎日使う消耗品なので安価なもので十分ですが、いたずら好きな仔犬はシートを噛んで散らかすことも多々。誤って水分吸収材を食べてしまうと危険なため、メッシュカバー付きタイプがおすすめです。初期のトイレトレーニング期間は、におい付きシートを用いることで、スムーズなトレーニングが可能です。
  • Item
    04
    クレート
    クレートは、ワンちゃんの移動に欠かせないアイテム。車や電車などの移動の際に便利です。成犬になったときのジャストサイズがおすすめ。
  • Item
    05
    フード&食器
    ドッグフードには幼犬用、成犬用、老犬用など、成長段階に合わせたものがいろいろあります。種類の多さに迷ってしまいますが、最初のうちはブリーダーのところで食べていたフードを与えましょう。食器は丈夫で壊れにくいものを選んで。軽くてひっくり返りがちなプラスチック製より、陶器や金属製のものがおすすめです。
  • Item
    06
    首輪&リード
    リードは散歩にいくときや、しつけの際に欠かせないアイテム。散歩ができるのはワクチン終了後ですが、首輪に慣れておくためにも仔犬のうちからつけておきましょう。首輪は成長に合わせてサイズが変わるため、買い替えは大前提です。仔犬のうちは軽くて柔らかいものを選んで。
  • Item
    07
    おもちゃ
    わんちゃんは遊ぶことが大好きです。とくに仔犬は噛むことが好きなので、噛んだり引っ張ったりしても良い犬用おもちゃを与えましょう。天然ゴム100%のデンタルコングは、トレーニングにも使えておすすめです。
  • Item
    08
    消臭剤
    トイレを失敗したときの後片付けやベッド、マットなどの臭いが気になったとき、臭い消しが活躍します。ペットショップで販売されているものは、犬の安全にも考慮されており、万が一、仔犬の目に入ったり、舐めたり、皮膚についても安心です
その他
ブラッシング用のコームやブラシ、爪切り、歯磨きといったお手入れ用品も一緒に揃えておくと便利です。シャンプーはワクチン接種後からのため、犬用シャンプー&コンディショナーなどは後からの用意で十分です。

準備編4
犬舎見学/心得とマナー

ブリーダー直販で仔犬を迎える場合、犬舎を見学して実際に仔犬を見ることが大切です。ブリーダーは仔犬の販売主であると同時に、頼れるアドバイザー。犬舎見学では仔犬の姿をチェックするだけなく、ブリーダーとコミュニケーションが取れる大切な時間です。ブリーダーからきちんと説明を受け、質問があれば聞き、信頼関係を築きましょう。
ブリーダー直販で起こりがちなトラブルのほとんどは、ブリーダーとのコミュニケーション不足によるものです。良いブリーダーは仔犬を譲る相手に対し、いつも誠実な対応を心がけています。譲る前には必要な情報を的確に伝え、譲った後も問題発生時には相談に乗るなど、アフターフォローもしっかりしています。
良い仔犬との出会いは、良いブリーダーとの出会いから。犬舎見学の際は、マナーを守って行いましょう。
心得 その1健康であること
犬舎見学の最大の目的は、仔犬の様子を見ることとブリーダーとのコミュニケーションを図ることにあります。ところが仔犬のかわいらしさに触ることばかりに夢中になって、ほとんど説明を聞かない人もいるようです。一方では他のブリーダーからも話を聞くなどして、「あちらではこう言っていた」と比較する人もいるようです。下調べは良いことですが、目の前にいる仔犬はその犬舎のブリーダーが育てたワンちゃんです。血統や親犬の情報も含めて、お話は育てた人から聞くのが一番です。確認すべきことは聞き、疑問点は質問しましょう。仔犬を家族の一員として迎え入れること=ブリーダーとの親戚付き合いのはじまりと考えれば、最低限のマナーは守りたいものです。
心得 その2購入の意思がなければ見学はしない
犬舎はペットショップではありません。犬を見たい、触れたいだけが目的の見学はどこの犬舎も行っていません。ブリーダーは繁殖の専門家として犬を育てています。見せ物のようになることでストレスがたまったり、ウイルス感染リスクも高まります。購入の意思が固まってから、犬舎見学を申し込みましょう。
心得 その3受け入れらない要望もあることを理解しておく
仔犬は生まれたばかりの赤ちゃんです。犬舎見学に訪れたとき、眠っていたりご機嫌が悪かったりするのは良くあることです。犬舎の環境のほかに、仔犬の健康状態や見た目、親犬の性格など実際に触れてチェックしたい点は多々あると思いますが、仔犬に刺激を与えるような行動はせず、観察してください。

親犬の見学の要望もよくありますが、種雄は別の犬舎の犬であるケースがほとんど。また母犬は産後でホルモンバランスが崩れて毛が抜けていたり、授乳期間で痩せて全体にツヤがないため、参考にならないので見せられないという犬舎が多いです。仔犬、親犬の事情を把握した上で、どこまで見学可能か見学申込み時にブリーダーに確認するのも一つです。
心得 その4同じ日に他の犬舎やペットショップに訪れない
犬舎への訪問はブリーダーと飼い主さんが日時を相談した上で行います。飼い主さんの都合で、同じ日に別の犬舎見学やペットショップ訪問は決してしないでください。
これは、ワクチン接種前の仔犬は感染症にかかるリスクが非常に高いため、犬舎見学前も見学後も、他犬との接触しないことがベストです。良いブリーダーは衛生面も徹底しており、犬舎に入る前に手を消毒するなど充分に注意しています。別の犬舎から感染症を持ち込んでしまうことで、犬舎の仔犬が全滅させてしまう可能性もあるのです。持ち込まない、持ち込ませないを鉄則に、犬舎見学は行いたいものです。
犬舎見学へ訪れる際は、以上の4つの心得を押さえておきましょう。
ブリーダーとしかりコミュニケーションを取ることで、さまざまな情報が得られます。充実した犬舎見学が、良い仔犬との出会いへと繋がります。

準備編5
犬舎見学/ここをチェック!

ワンちゃんとの幸せな暮らしは、理想の仔犬との出会いから始まります。犬舎見学のときに、より良い仔犬を選ぶにあたり、チェックすべきポイントをまとめました。限られた見学時間内で、すべてを見極めるのはむずかしいため、ブリーダーの話が何よりの参考になります。飼い主さんなりの“理想の仔犬”基準を持ち、犬舎ではしっかり観察することが大切です。
point 1健康であること
一般的に「良い仔犬」とは元気で明るい性格の子が、そう言われています。
ブリーダー界における「元気な仔犬」には以下のような要素が含まれています。仔犬も生き物ですから後天的に病気を発症する可能性はゼロではありません。以下の3点に則した健康な仔犬を選んでおけば、成犬になってからもほとんどが健康です。一般の人が、仔犬を観察したり触るだけで疾患を見つけるのは難しいことです。
健康状態のあれこれは経験豊かなブリーダーに直接聞き、納得できる仔犬選びを!
  • ころころと太っている
    やせ細った弱々しい見た目より、仔犬の時代はポチャッとした方が理想的。よく食べよく寝てよく遊ぶのが元気な仔犬です。
  • 動きが活発かどうか
    活発に動き回り、じゃれついてくるような人なつっこさ。見た目だけでなく行動を観察していると、心身ともに健康かどうかが分かります。心の不調を見落とさないことが肝心です。
  • 遺伝性疾患の有無
    動物愛護法に基づいて、ブリーダーは飼い主さんに対して遺伝性疾患についての説明責任があります。説明がなければ質問するのがベターです。
point 2性格の良さ
迎えた仔犬は、飼い主さんにとってのパートナーであり、家族の一員であり、大切な友だち。
犬種によって基本的な性質は異なりますが、人懐っこかったり、愛嬌のある性格も、ともに暮らす上での大切な条件となります。
中には、生まれつき攻撃的な性格の仔犬もいます。荒い性格の場合は人に噛みついたりすることもあるので、ブリーダーの説明をしっかりと聞き、判断しましょう。
  • スキンシップをとってみる
    仔犬は甘噛みをすることがあります。これは遊んでいるだけで敵意はありません。怖がりや恥ずかしがりやの仔犬も噛みつこうとしてくることがありますが、その後の育て方で落ち着きのある犬にトレーニングできるため、大きな心配は不要です。明らかに攻撃的な仔犬がいたら、避けるようにしましょう。
  • 親犬を見る
    性格の良さの定義は犬種によって異なります。特に純血種は遺伝子上の性質が強いため、性格を尊重するように育てられています。犬種によって、おとなしい性質もいれば、わんぱくなタイプもいます。持って生まれた性格は親犬に似ることも多いため、親犬を見ることも参考になります。愛嬌たっぷりの仔犬でも、警戒心の強い親犬であれば、成長するとその資質が出てくる可能性もあります。仔犬、親犬の個性をよく見ることが大事です。
point 3姿かたちの良さ
犬種は異なれども、ブリーダーが育てている仔犬の多くは純血種。純血種の犬はカラダの機能や構造、弱点までよく研究されており、もっとも健全性を保ったかたちをしています。
スタンダードなかたちの犬は育てやすさも大きな特徴です。健康で性格が良いことはもちろん、できるだけスタンダードに近い姿かたちの仔犬を選ぶのが、育てやすさの上でもベターです。
point 4正当な価格
ブリーダーは情熱を持って仔犬を育てていますが、高額な仔犬=良い仔犬とは限りません。
仔犬の価格設定には以下の2通りがあるので、購入する際の参考にしてください。
  • 市場価値を基準に考えられた価格
    一般的に、仔犬の価格は市場価値で決められます。人気犬種は高値に、人気が落ちると安値になるなど、世の中のトレンドの影響が大きく、需要の有無が仔犬の価格を左右しています。
  • 仔犬の価値を基準に考えられた価格
    ときには、仔犬の価値で価格を決めるブリーダーもいます。良いブリーダーほど市場の人気や価格に惑わされることなく、価格設定を行っています。健康、性格、姿かたちなどが最高の仔犬が生まれたら高値をつけ、その仔犬を基準にほかの仔犬の価格を決めていくようです。
    固定価格を設定しているブリーダーは、人気犬種であるほど市場価格よりお値打ちに、なおかつ仔犬の質も一定基準を維持している傾向があります。

実践編1
知っておきたい飼い犬のための法律

仔犬を新しい家族として迎えることは、わんちゃんが人間社会に仲間入りするということ。以後、わんちゃんは人間社会の決められたルールを守らなければいけません。もちろん、わんちゃん自身が守ることはできませんから、責任も守る義務もすべて飼い主さんにあります。ここでは、飼い主さんが知っておくべき法律と条例についてご紹介します。
  • point1畜犬登録の届け出と、狂犬病予防注射接種
  • point2動物の愛護及び管理に関する法律
  • point3各都道府県での守るべき条例
point 1畜犬登録の届け出と、狂犬病予防注射接種
国の定めた「狂犬病予防法」により、犬を飼い始めてから30日以内*に犬を登録する「畜犬登録」することが義務付けられています。申請は飼い主さんの居住地域の役所・保健所で行います。登録は犬の一生に一度だけでOKですが、引っ越しや譲渡などでわんちゃんの居住地が変わる場合、登録をし直さなければなりません。※注/生後90日以内の犬を飼い始めた場合は、生後90日を経過してから30日以内
「狂犬病予防法」では、毎年4〜6月の間に狂犬病予防の注射を接種することも定められています。狂犬病は人間にも感染し、万が一、狂犬病の犬に噛まれた場合は100%死に至る恐ろしい病気です。毎年、「畜犬登録」している飼い主のもとへ通知書が送付され、集団予防接種の開催日時と会場がお知らせされますので、狂犬病の予防接種が受けられます。都合が合わないときは、動物病院で受けることも可能です。

どうぶつ病院によっては、仔犬のときに狂犬病予防の注射接種を受けることで畜犬登録の申請を代行してくれるところも。居住地域のどうぶつ病院に一度、問い合わせてみるのも良いでしょう。
畜犬登録後に交付される鑑札と注射済票は、わんちゃんの首輪などにつけることを忘れずに。これらの義務を怠ると、狂犬病予防法に違反することになり、20万円以下の罰金に処せられてしまいます。
point 2動物の愛護及び管理に関する法律
「狂犬病予防法」のほか、犬に関する法律として「動物の愛護及び管理に関する法律」も定められています。以下の飼い主の責務を守らない場合、処罰が課せられるものもあります。
  • 犬の習性等に応じて適正に飼養し、健康と安全を守るように努めること
    飼い犬が人の生命・身体・財産などに害を加えたり、生活環境の保全上の支障を生じさせ、または人に迷惑をおよぼすことのないように努めること
  • 愛護動物に対し、みだりに給餌若しくは給水をやめ酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させる等の虐待を行うこと
    違反した場合、100万円以下の罰金※犬以外の動物にも該当
  • 愛護動物をみだりに殺したり傷つけること
    違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金
  • 愛護動物を遺棄すること
    違反した場合、100万円以下の罰金
point 3各都道府県での守るべき条例
各都道府県ごとでも、守るべき条例が制定されています。ご参考までに、「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」をご紹介します。
国の法律や地域の条例を理解してルールを守るのはもちろんのこと、近隣住民に迷惑をかけないようなマナーも意識しましょう。
  • 外出時は必ずリードをつけること
    違反した場合、拘留若しくは1000円以上1万円以下の罰金
  • 飼い犬を適正にコントロールして人に危害を加えないようにすること
    万が一噛みついた場合、飼い主は24時間以内に保健所へ届け、48時間以内に獣医師の診断を受け、狂犬病の疑いの有無を調べなければならない
    保健所の届け出を怠った場合、拘留又は罰金
    獣医師の診断を受けなかった場合、5万円以下の罰金
  • 排泄物の処理をすること
    後始末の放置は軽犯罪法にも違反。拘留又は罰金に処せられる場合あり

実践編2
気をつけたい愛犬飼育のトラブル

愛犬に限らず、どうぶつとの暮らしはご近所トラブルと背中合わせ。中でも年齢性別、多種多様な人々が共に暮らす集合住宅などは、より注意が必要です。
ここでは起こりうるトラブルと、トラブルを未然に防ぐ工夫も踏まえた対処法をご紹介します。わんちゃんとの幸せな暮らしのためにもルールやマナーを守り、トラブル回避に努めましょう。
  • point1ペットにまつわるよくあるトラブル事例
  • point2トラブル事例別、対策できること
  • point3それでもトラブルが起きてしまったら
point 1ペットにまつわるよくあるトラブル事例
  • case1ペット不可の集合住宅で犬を飼ってしまった
  • case2犬の吠え・鳴き声による騒音トラブル
  • case3飼育上の不衛生による悪臭トラブル
  • case4犬が噛みついてしまった等、加害トラブル
point 2トラブル事例別、対策できること
  • case 1ペット不可の集合住宅で犬を飼ってしまった
    賃貸、分譲に関わらず、一般的に集合住宅では管理組合等によってペット飼育に関する規約が定められています。ペット不可にも関わらず、こっそり飼っている場合など、集合住宅ごとの規約に則った罰則は免れません。万が一、裁判に発展した場合、100%に近い確率で飼い主が敗訴になります。
    • ●対策
    • ペット不可の集合住宅にお住まいであれば、規約に従って飼わない選択をするよりほかありません。
  • case 2犬の吠え・鳴き声による騒音トラブル
    犬の無駄吠えは騒音トラブルのもと。とくに早朝や深夜における吠え超えや鳴き声は、睡眠妨害をはじめ近隣住民の日常生活に悪影響を及ぼす原因に。ペット可の集合住宅であっても戸建てであっても、ご近所トラブルに発展しかねません。
    • ●対策
    • ・ドッグトレーニングを行う
    • ・ストレスが溜まらないよう、こまめに遊んであげる
    • ・吸音パネルや防音シート等、防音グッズを活用する
  • case 3飼育上の不衛生による悪臭トラブル
    室内犬においては衛生面を徹底している飼い主が多く、悪臭トラブルは年々減少傾向にあるようです。しかし、外で飼育している場合や多頭飼いをしている場合など、排泄物や土などの汚れから被毛に菌が繁殖し、悪臭の原因に。
    集合住宅においては、エントランスや廊下、階段、エレベーターといった共有部分での排泄なども衛生面でのトラブルにつながります。
    • ●対策
    • ・定期的にブラッシングやシャンプーを行い、清潔に保つ
    • ・ブラッシングによる抜け毛が近隣に飛ばないよう、お風呂場等で行う
    • ・ペットが触れる場所をこまめに掃除、水洗いをする
    • ・排水物の処理の徹底。散歩中の排泄やマーキングもきちんと処理を
  • case 4犬が噛みついてしまった等、加害トラブル
    愛犬が人や他の犬を噛んでしまう「咬傷事故」は年々増加傾向に。普段はおとなしく従順な性格であっても、突如、危害を加えるケースは多々あります。特別な理由がない限り、飼い主が治療費や慰謝料などの責任を負わなければならないことがほとんどです。
    • ●対策
    • ・散歩中に近づいてくる人や犬、悪気なく撫でようとする人などを近づけないように注意する
    • ・同時に感染症リスクもあるため、だれにでも安易に触らせない
point 3それでもトラブルが起きてしまったら
愛犬に関するトラブルはすべて飼い主さんの責任です。話し合いで解決できるよう、まずは冷静に落ち着いて相手の話をしっかり聞きましょう。起こってしまった事実と原因をきちんと把握し、トラブル改善のための誠意ある姿勢を見せることが大切です。

愛犬のことだからとつい感情的になりがちですが、被害者が法的手段に出てしまったら、損害賠償等を請求されるのは飼い主さん側。話し合いが上手くいかなかった場合は、第三者も交えて話し合いを行ったり、それでも解決の糸口が見つからなければ、弁護士事務所に相談することも検討しましょう。

いつ、近隣住民の方々が被害者になるとも限りません。飼い主さんが日頃からルールやマナーを守り、あいさつ等のコミュニケーションを行うことだけでも、トラブルを未然に防ぐ第一歩になります。

実践編3
仔犬のうちにパピートレーニングを!

パピートレーニングとは、仔犬の頃に行うべき社会化のトレーニングのこと。要は、人間社会に慣れ親しんでいくために欠かせないトレーニングです。犬は、たった1年で人の4〜7倍のスピードで成長すると言われれます。成犬になってからのしつけは難しく、無駄吠えといった問題行動も増えがちです。だからこそ、生後2〜4ヶ月の仔犬のうちにパピートレーニングを行って、きちんとしつけをしましょう。
  • point1なぜ仔犬のうちに行うのか
  • point2パピートレーニング5つの基本
point 1なぜ仔犬のうちに行うのか
パピートレーニングを行わずに成長した犬は、人や他の犬を受け入れにくくなる傾向にあります。言い換えれば、警戒心の強い性格になり、人見知りや犬見知りをしがちになるということ。警戒吠えなどが始まる生後5〜6ヶ月になる前までに、パピートレーニングを行っておくのが理想的です。
仔犬のうちに飼い主さんのご家族以外の人にも触れてもらう機会を増やしたり、ワクチン接種が終わったら安全な犬とも遊ばせることで、人や犬になじませていきましょう。
ただし、恐怖心を植えつけるような行為や強制的に行うのはNG。じっくりと取り組み、たくさん褒めてあげることが大切です。
point 2パピートレーニング5つの基本
  • 1トイレトレーニング
    仔犬は動き回るほど利尿作用が働き、排泄しやすく性質があり、またご飯の後にトイレをする習慣があります。そうしたタイミングで落ち着かない様子を見せたら、トイレシーツを敷いた専用トイレに誘導して排泄をさせます。
    排泄が成功したらいっぱい褒めてあげることが、仔犬がトイレを覚えるコツです。見ていないときにでも成功していたら必ず褒めてあげます。逆に、失敗しても絶対怒らないようにしましょう。隠れて排泄しようとするなど、逆効果です。
  • 2甘噛み防止トレーニング
    仔犬はじゃれているうちに人の指を甘噛みすることがよくあります。これが習慣づいてしまい、成犬になっても甘噛みを続けてしまうと大ケガにもなりかねません。
    仔犬のうちに甘噛みはしっかり禁止しましょう。たとえ遊びの延長であっても歯があたったら「痛い!」と伝え、その時は遊ぶのをやめてください。甘噛みは生後7ヶ月頃までをメドにやめさせたいものです。
  • 3触れることに慣らす練習
    本来、犬は足先や尻尾、口まわり、耳などを触られると嫌がるものです。しかし、生きていく上でブラッシングやシャンプーといったお手入れや、どうぶつ病院での診療時など、人が体に触れなければいけない場面は多々あります。どこを触っても唸ったり噛んだりせず、仔犬のうちにどこを触っても平気でいられるトレーニングをしておかなければいけません。最初は本能的に嫌がりますが、優しく声をかけながら体のあちこちを触ってあげてください。
  • 4ハウストレーニング
    ケージなど、愛犬が休める専用の場所を「ハウス」として用意しましょう。「ハウス」は寝るためだけでなく、来客時などの居場所であることを覚えさせます。怖がる場合は扉や屋根を外すのもポイント。無理に押し込んだりすると入らなくなりますので、ハウスに入ったらおやつなどをあげたり、褒めたりしながら、楽しい場所であることを認識づけましょう。
  • 5お散歩トレーニング
    来たるお散歩デビューに備えて、室内で首輪とリードを着けて歩く練習をしておきます。仔犬が首輪とリードに慣れることが第一ですが、飼い主がどれだけ上手にリードのコントロールできるかもポイントです。散歩中に犬をしっかり誘導できるよう、引っ張ったりゆるめたりの力加減を覚えましょう。
point 3それでもトラブルが起きてしまったら
愛犬に関するトラブルはすべて飼い主さんの責任です。話し合いで解決できるよう、まずは冷静に落ち着いて相手の話をしっかり聞きましょう。起こってしまった事実と原因をきちんと把握し、トラブル改善のための誠意ある姿勢を見せることが大切です。

愛犬のことだからとつい感情的になりがちですが、被害者が法的手段に出てしまったら、損害賠償等を請求されるのは飼い主さん側。話し合いが上手くいかなかった場合は、第三者も交えて話し合いを行ったり、それでも解決の糸口が見つからなければ、弁護士事務所に相談することも検討しましょう。

いつ、近隣住民の方々が被害者になるとも限りません。飼い主さんが日頃からルールやマナーを守り、あいさつ等のコミュニケーションを行うことだけでも、トラブルを未然に防ぐ第一歩になります。

実践編4
無駄吠えを無くすためのしつけ

人が言葉を話すように、犬にとって吠えることは意思表示の手段です。それは正常な行動であり、ある意味で仕方のないことですが、散歩中に人や犬とすれ違うたびに吠えたり、室内でも来客があると吠え止まず困っている飼い主さんも多いのでは?
一見、無駄吠えのようでも、犬が吠えるのは何らかの理由があってのことです。とはいえ、あまりに騒がしくては近所迷惑になりかねません。無駄吠えをガマンさせることも飼い主さんの大切な役目です。まずは吠える原因をよく理解してしつけを行い、吠えた場合は吠えないような状況に改善してあげましょう。
  • point1まずは犬が吠える原因を知る
  • point2無駄吠えをさせないしつけ方法
step 1まずが犬が吠える原因を知る
犬が吠える理由は、飼い主さんの注意をひくためだったり、何かしらの要求や、不安、さみしさ、警戒心や縄張り意識による威嚇、挨拶などさまざまです。玄関チャイムなどの音にも過敏に反応して吠えることも、よくある行動です。
いずれも生まれもった犬の気質をはじめ、仔犬の頃に人や他の犬とのふれ合いが少なく刺激不足の環境で育った等、飼育状況も影響すると言われています。

無駄吠えを「ダメ!」と叱ることは、犬にとっては吠えたいのに吠えられない状態になることです。犬のストレスを和らげるためにも、飼い主さんは愛情をもって接することが大前提です。何に対して吠えているのか、いつでも犬の気持ちになって考え、step 2のしつけ方法に取り組みましょう。
step 2無駄吠えをさせないしつけ方法
  • 仔犬の頃のパピートレーニングをしっかり行う
    外出の機会を増やし、飼い主さん以外の人や他の犬とのふれ合いの機会をたくさん設けましょう。同時にいろいろな音の刺激にも慣れさせておくことで、無駄吠えの予防につながります。
  • 犬の注意をひく
    絶対吠えない犬はほとんどいません。おとなしめの犬でも吠えるときは吠えます。まずは完璧に吠えないようにはしつけられないということを理解しましょう。吠えたとき、飼い主さんが別の音を出して犬の注意をひくのが効果的です。床や壁を叩くのも良いでしょう。周囲に迷惑にならない程度であればどのような音でもOKですが、飼い主さんが音を出す様子を見られないよう、必ず気をつけてください。飼い主さんが出している音だと分かると、効果がなくなります。[吠える→音を出す]をくり返して行うことで犬の記憶にすり込まれ、無駄吠えが減っていきます。
  • 頭ごなしに怒らず、褒める!
    吠えるのをやめたら「よくできたね」「えらいね」と褒めてあげましょう。ただし、吠えたら褒められるのだと犬が勘違いしないよう、吠え止めた直後ではなく、少し間をあけたタイミングで褒めてください。
  • 「静かに」の合図を教える
    「静かに」の言葉で吠えさせるのをやめさせるしつけを行います。根気が必要ですが、犬の吠えをコントロールできるようになります。

実践編5
ドッグランデビュー。その前の心得

たまにはリードを外して、のびのびと自由に走らせてあげたいー(棒線記号)飼い主さんであればだれもがそう思うものです。ドッグランは、愛犬の運動欲求を満たし、なおかつ他の犬とのふれ合いを通して社会性が磨ける絶好の空間。愛犬が元気いっぱいに走り回る様子に飼い主さんも楽しい気分になるでしょう。
しかし、ドッグランは飼い主さんにとっても愛犬にとってもワクワクする場所であると同時に、トラブルが起きやすい環境でもあります。ルールやマナーをきちんと守り、安全に留意してお楽しみください。
  • point1仔犬のドッグランデビュー。その時期
  • point2ドッグランで守るべきマナーとは
  • point3安全に遊ばせるためのチェックポイント
point 1仔犬のドッグランデビュー。その時期
ドッグランデビューの目安は、一般的に生後6ヶ月以降と言われています。これはワクチン接種が済んでいることを前提としています。リードを外しても興奮することなく、「おすわり」「待て」等のしつけもできていると理想的でしょう。
はじめて連れていくなら、人も犬もさほど多くない午前中がベター。
ドッグランに来たからには他の犬と交流しなければ、などと焦る必要はありません。まずは、場所や雰囲気に慣れさせる程度で十分OKです。
point 2ドッグランで守るべきマナーとは
ドッグランは公共の場所であり、たくさんの犬とその飼い主さんが利用します。ドッグランの規約はもちろん、マナーを守らないと利用中の他の飼い主さんやその愛犬に迷惑をかけてしまったり、トラブルに発展することも。愛犬をノーリードで自由にさせる以上、飼い主さんには責任ある行動が求められます。ドッグランに訪れたなら、まずはその施設の規約をしっかり読み、施設利用中はそのルールを守るよう心がけたいものです。加えて、下記のマナーも守りましょう。
  • ワクチン接種は済ませている
  • ノミやダニ、感染症がある場合は、他の犬に感染させないためにも利用しない
  • 発情期は他の犬を刺激することになるため利用しない
  • トイレは事前に済ませておき、ドッグラン内で排泄させない
    万が一、排泄してしまった場合に備え、ティッシュやマナー袋を用意しておく
  • トラブルを未然に防ぐ意味でも、愛犬からは目を離さない
    おやつの奪い合いやマウンティングをしそうになったらすぐやめさせるetc
point 3安全に遊ばせるためのチェックポイント
はじめてのドッグランで事故やケガなく、仔犬を安全に遊ばせるために、飼い主さんはドッグランの様子を外側から観察し、状況を把握することが大切です。ドッグランに入る前に以下の点に注意して、仔犬が近づかないように配慮しながら遊ばせましょう。
  • 集団で走り回っている犬はいないか
  • 元気が有り余っているような激しい遊び方の犬はいないか
  • 飼い主さんがそれぞれの愛犬をきちんとコントロールできているかどうか
  • 飼い主さん同士がおしゃべりに夢中になり、愛犬の観察を怠っていないか

応用編1
ワクチン接種で感染予防

かわいい仔犬をお迎えして、お散歩デビューが楽しみな飼い主さんも多いのでは? しかし、生後1カ月半〜3カ月頃の仔犬は免疫力が低く、さまざまな感染症にかかるリスクを持っています。仔犬はもちろん、愛犬たちを病気から守るため、生後2カ月を過ぎた仔犬にはワクチン接種が不可欠です。
また仔犬をお迎えする際は、ワクチンを接種しているか、その時期や種類など混合ワクチンの接種歴をブリーダーに確認することもお忘れなく。
飼い主として知っておきたい感染症の知識を、3つのポイントでご説明します。
  • point1感染症の種類
  • point2混合ワクチンで予防できる感染症
  • point3ワクチン接種にかかる費用の目安
point 1感染症の種類
  • ジステンバー
    感染した保菌犬からの目ヤニやくしゃみ、鼻水、唾液、排泄物などの飛沫から感染します。死亡率が高く、有効な治療法もない上、完治しても神経症状などの後遺症が残ることも。
  • 伝染症肝炎
    感染した犬の鼻水や唾液、排泄物への接触で感染する伝染病。発熱、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出ます。重篤な場合、肝臓などで感染を起こし機能不全に陥ることもあります。
  • アデノウイルス2型感染症
    咳やくしゃみなど、風邪に似た症状で、別名「ケンネルコフ」を呼ばれています。複合感染によって重篤化するケースもあるので注意が必要です。
  • パルボウイルス感染症
    こちらも感染した犬の嘔吐物や排泄物から感染します。下痢、嘔吐、発熱、脱水などの症状が現れるほか、血便が出ることも。仔犬や高齢犬は死亡する恐れのある病気で、妊娠中のメス犬が感染した場合、流産や死産の原因に。
  • パラインフルエンザ
    咳、発熱、鼻水など、風邪のような症状が特徴。他の感染症と併発することで重篤になることも。
  • コロナウイルス感染症
    保菌している犬の糞を舐めたりすることで感染する病気。病原性は弱く、成犬の場合は症状が現れることは少ないものの、複合感染で重篤症状になることがあります。
  • レプトスピラ感染症
    ねずみや馬、牛、豚といった家畜などの尿で汚染された土や水から感染する病気。症状の度合いはさまざまで重症の場合は腎炎や肝炎になることもあるほか、人間も感染する可能性があります。
point 2混合ワクチンで予防できる感染症
混合ワクチンは、一般的に飼い主さんが任意で受ける感染症予防接種です。
その種類は2種混合から11種混合まであり、組み合わせることで複数の病気予防に効果を発揮するため、組み合わせて一度に接種します。
致死率の高い感染症予防のための「コアワクチン」と分類され、ワクチン接種を強く勧められているものです。
「ノンコアワクチン」は感染症リスク予防に対するもので、育っている環境によって接種が推奨されています。
コアワクチン・ノンコアワクチン感染症予防接種表
point 3ワクチン接種にかかる費用の目安
ワクチン接種は病気の治療ではなく、あくまでも予防行為のため、ペット保険の対象外であることがほとんどです。ワクチン接種の費用はどうぶつ病院によって異なりますが、目安の費用は以下の通りです。
  • 混合2種・混合3種:3,000円〜5,000円
  • 混合4種:5,000円〜6,000円
  • 混合5種:5,000円〜7,000円
  • 混合6種:5,000円〜8,000円
  • 混合7種:6,000円〜9,000円
  • 混合8種:7,000円〜10,000円
  • 9種以上:8,000円〜12,000円
ワクチン接種は感染症リスク予防のためにも不可欠ですが、一度にたくさんの種類のワクチンを接種することによって仔犬への副作用リスクの可能性も高まります。どのワクチンを接種すべきか、どうぶつ病院の獣医師に必ずご相談ください。

応用編2
おそろしい狂犬病から仔犬を守る

狂犬病は人を含めたほ乳類に感染する伝染病です。万が一、人が野犬などに噛まれて狂犬病を発症した場合、その致死率はほぼ100%と言われる恐ろしい病気です。日本では狂犬病ワクチン接種が義務付けられており、感染する確率はゼロに近いとされていますが、世界ではまだまだ多くの人が狂犬病に感染し亡くなっています。愛犬はもちろんのこと、人やほ乳類を守るためにも、仔犬をお迎えしたら必ず狂犬病ワクチン接種を受けましょう。
  • point1狂犬病予防接種は飼い主の義務
  • point2狂犬病予防接種はいつ受ける?
  • point3ワクチン接種後に気をつけるべきこと
point 1狂犬病予防接種は飼い主の義務
生後90日以降の仔犬を含むすべての飼い犬に対し、狂犬病予防注射の接種が法律で義務付けられています。
  • 飼い犬登録の義務
    仔犬を迎え入れたら、その取得日(生後90日以内の犬を取得した場合は、生後90日を経過した日)から30日以内にその犬の所在地を管轄する市区町村に登録申請し、鑑札の交付を受けなければなりません(狂犬病予防法第四条)。
    なお、犬が死亡した場合や、所在地、所有者の住所、氏名の変更があった場合も届け出が必要です。
  • 狂犬病予防ワクチン接種の義務
    飼い主に、生後90日以降の飼い犬への狂犬病予防接種義務付けられているのは先にお伝えした通りです。
    また、飼い主は狂犬病の予防注射を毎年一回、その犬に受けさせなければなりません(狂犬病予防法第五条)。違反した場合、「20万円以下の罰金または科料が課せられる」と定められています*。※注…接種免除の申請ができる場合あり。詳細は市区町村にお問い合わせを。
point 2狂犬病予防接種はいつ受ける?
  • 毎年4月〜6月の間
    生後91日以上の犬を所有している飼い主は、毎年一回、4月1日〜6月30日までに狂犬病予防注射を受けることが義務付けられています。
    自治体による集団接種と、どうぶつ病院での個別接種があり、集団接種*については犬の鑑札情報に基づき、登録している市区町村から飼い主宛に案内が送付されます。(4〜6月のうち、地域によって実施期間の日程が異なります)
    個別接種する場合は、どうぶつ病院での接種となります。 ※集団接種の詳細は、お住まいの市区町村窓口にお問い合わせください。
  • 接種費用の目安
    • 集団接種の場合、3,000円程度,000円〜5,000円
    • 個別接種の場合、費用はそれぞれの病院によって異なる
  • 接種後は「注射済票」の受け取りを
    集団接種、個別接種のいずれの場合も、狂犬病予防注射の接種後に獣医師から「注射証」が交付されます。飼い主は、それを市区町村に提示し「注射済票」の交付を受けなければなりません。飼い主は、その「注射済票」を飼い犬に付けておくことも義務付けられています。
point 3ワクチン接種後に気をつけるべきこと
狂犬病予防注射接種後、犬の体質によって顔面の腫れやじんましん、呼吸困難などの症状が現れることがあります。これらはアレルギー反応やアナフィラキシー反応であり、反応が起こる場合は接種後30分くらいだと言われているため、接種後30〜40分は病院内で様子を観察しましょう。

ワクチン接種当日から1週間前後は、飼い犬の安静を保つようにご注意ください。激しい運動や入浴、交配などは避けましょう。食欲や元気がなくなるなど、いつもと違う様子が見られたら、すみやかにどうぶつ病院の獣医師にご相談ください。

応用編3
どうぶつ病院の選び方

仔犬を迎え入れることが決まったら、どうぶつ病院を探しておきましょう。
毎年のワクチン接種にはじまり、フィラリア予防や病気、ケガの治療、健康診断まで、お世話になる場面が多々あります。仔犬はとくに病気にかかりやすい傾向があるため、かかりつけのどうぶつ病院があると安心です。
人間よりも成長スピードが速い仔犬は、治療の遅れが命取りになることも。仔犬に何かあったときだけでなく、普段から健康管理についても相談にのってくれる頼れる獣医さんを見つけておきましょう。
どうぶつ病院選びのポイントを紹介します。目安としてご活用ください。
  • point1自宅から通いやすいエリアにある
  • point2正しい情報を取捨選択する
  • point3獣医の確かな技術力と病院の丁寧な対応
point 1自宅から通いやすいエリアにある
長時間の移動は仔犬にとってストレスのもと。体調が急変する場合もありますから、できるだけ家の近くにあるほうがよいでしょう。
point 2正しい情報を取捨選択する
インターネット上には宣伝PRをはじめ、さまざまなどうぶつ病院の情報があふれています。どうぶつ病院は、仔犬という大切な家族の命をあずける場所ですから、真偽のわからない情報に惑わされず、家の近いエリアの病院を検索する程度がベターです。
わんちゃんを飼っているご近所の方の口コミや、ドッグランなどでオーナーさんにおすすめの病院を聞いてみるのも良い判断材料に。愛犬家の情報は、その経験値の上でも非常に信頼できるものといえます。とはいえ、獣医さんとの相性もあります。当たりをつけたら2、3回通ってみて判断しましょう。
point 3獣医の確かな技術力と病院の丁寧な対応
評判の良いどうぶつ病院は、獣医師の腕が確かなことはもちろん、病院施設そのものが清潔であったり、電話での印象も良く対応も親切です。以下は、一般的に“良いどうぶつ病院”とされる条件です。情報収集の際や、実際に診察に訪れたときの目安となります。
  • 1. 病院内は広く、待合室や診療室が清潔に保たれている
    待ち合いなども含めて、狭い病院内は飼い主さんにとっても居心地がよくないものです。一定の広さのある病院が望ましいところ。また、清掃が行き届いて衛生管理がしっかりとなされていることもマストです。
  • 2. 病状や診察方法、治療費について、きちんと説明してくれる
    良い獣医は、診療時にわんちゃんの病状や今後の治療方針についてきちんと説明してくれます。また、飼い主の質問に対しても納得いくまで教えてくれます。
    高額な治療費となる場合は、その旨も事前に知らせてくれます。
  • 3. 触診するとき、ていねいに扱ってくれる
    仔犬にまったく触らず診療を行ったり、取り扱いに慣れすぎたあまり乱雑に扱うような獣医は論外です。良い獣医は仔犬に限らずどんなどうぶつも、ていねいに診療します。
  • 4. 対応できない場合は別の病院を紹介してくれる
    どうぶつ病院の診療対象は、犬猫に限らず多種多様。また病院によって設備も異なり、手術・入院ができる施設とそうでない施設があります。もし、対応しきれない病院やケガの場合、良い獣医は「当院では対応できません。専門設備のある病院を紹介します」と飼い主さんに正確に伝えます。また、独自のネットワークをフル活用し、治療の窓口になってくれる点でも安心です。
  • 5. 夜間や休日も対応してくれる
    仔犬がいつ体調を崩すとも限りません。急病時、夜間や休日といった診療時間外でも対応してくれる病院が安心です。また、個人病院で対応が難しい場合、救急病院を紹介してくれるなど、良い獣医は飼い主さんを不安にさせません。

応用編4
去勢と避妊はなぜ必要?

去勢・避妊手術を行う目的は、なんといっても望まれない繁殖を防ぐことにありますが、その他にもさまざまなメリットがあります。
とはいえ、健康なわんちゃんにメスを入れる必要があるため、去勢・避妊手術をするかしないかはあくまでも飼い主さんの判断です。手術は全身麻酔をかけて行いますから、麻酔による副作用が出ないとも限らず、手術後のケアや通院も必要です。そうしたリスクは否めませんが、繁殖させたものの引取先のない恵まれない仔犬を増やすことが何よりのデメリットであることもお忘れなく。以下の去勢・避妊のメリットや費用を参考に、手術について考えてみるのもいですね。
  • point1去勢・避妊手術のメリット
  • point2去勢・避妊手術の時期と方法
  • point3去勢・避妊の手術費用と助成金制度
point 1去勢・避妊手術のメリット
不要な交配を避け、妊娠を防ぐことができる
飼い主さんであれば、「かわいい愛犬の仔犬を」との思いで一度は繁殖してみたいと考える方も多いでしょう。ですが、生まれてきた仔犬の引取先を探すのは、簡単なことではありません。たとえ血統証付きであったとしても、動物取扱業登録を行ったブリーダーでなければ仔犬の販売は不可能です(登録無しでの販売は動物愛護法違反)。
仔犬が生まれても育てきれないことが明白ならば、去勢・避妊手術を行っておくべきと言えます。
さまざまな病気の予防効果がある
  • 去勢手術
  • ・前立腺肥大といった前立腺の病気の発生率を低下させる
  • ・肛門周囲腺腫という腫瘍の発生率を低下させる
  • ・精巣腫瘍の予防
  • ・会陰ヘルニアの予防
  • 避妊手術
  • ・子宮蓄膿症の予防
  • ・乳腺腫瘍の発症率を低下させる
  • ・卵巣腫瘍などの卵巣疾患の予防
発情期の行動を抑制する効果がある
  • 去勢手術
  • ・マーキングやカウンティングの改善
  • ・攻撃性の低下により、ケンカなどの行動を抑える
  • 去勢手術
  • ・発情がなくなる
  • ・生理がなくなり、食欲不振や突然の吠え、かみつきを起こさなくなる
※いずれもすべての犬にあてはまるとは限りません。
point 2去勢・避妊手術の時期と方法
  • 最適な時期
    犬種の差や個体差こそありますが、わんちゃんは一般的に生後6カ月〜10カ月ではじめての発情期を迎えます。
    去勢手術は生後6カ月〜1年の間、避妊手術は最初の発情期を迎える前が、最適な時期とされています。わんちゃんの成長速度や体型にも配慮しながら、獣医師に相談して決めましょう。
  • 去勢手術
    全身麻酔を行い、皮膚を切開して睾丸を取り除きます。当日退院が可能。
  • 避妊手術
    子宮と卵巣を摘出します(卵巣摘出のみの病院もあり)。手術後、3日間程度入院が必要。
point 3去勢・避妊の手術費用と助成金制度
  • 去勢手術
    20,000〜30,000円
  • 避妊手術
    30,000〜50,000円(入院費含む)※いずれも病院によって異なる。かかりつけ医にあらかじめご確認ください。
  • 助成金制度
    獣医師会の協力のもと、不妊去勢手術助成金制度を設けている市町村もあります。金額の目安は2,000〜10,000円ですが、受け取れる金額や申請の方法は地方自治体によって異なります。事前に各自治体のホームページ等でご確認ください。

応用編5
気になるニオイの原因と対策

周知のことですが、わんちゃんとの暮らしにはニオイがつきものです。わんちゃんは人と違って毎日シャワーを浴びたりお風呂に入ったりしないため、普段から飼い主さんが清潔に保つなどのケアが大切です。
とはいえ、わんちゃんも動物ですからニオイはごく自然なこと。飼い主さんや家族は慣れていきますが、訪れたお客さんなどは気になるところですから、マナーの意味でも消臭対策を心がけましょう。いくらきれいにしてもニオイはゼロになるものではありませんが、原因を知った上で対策を行って軽減していきたいものです。
  • point1ニオイの原因
  • point2ニオイの対策
point 1ニオイの原因
  • 体臭
    人と同じように、わんちゃんも汗をかきます。エクリン腺とアポクリン腺の2つの汗腺があり、エクリン腺は肉球に、アポクリン腺は全身にあります。
    エクリン腺から分泌されるのは水分が多いさらっとした汗が特徴で、さほどニオイはしません。一方、アポクリン腺からは皮脂が多く含んだべたつく汗が分泌されます。この汗が皮脂や被毛の汚れと混ざって酸化することで細菌が繁殖し、独特の体臭になるのです。大型犬は体の表面積が広い分、アポクリン腺も多いため、体臭が感じやすいと言えます。
  • 口臭
    わんちゃんも人と同様に、歯についた食べカスをそのままにしておくと、口臭の原因に。歯垢や歯石をそのままにしておくことで虫歯や歯周病の原因にもなります。また、唾液や食べこぼしで汚れやすい口周辺の被毛は、細菌が増殖してニオイのもと。口の中、口の周辺ともこまめなケアが必要です。
  • 便臭
    排泄物に含まれる硫黄化合物や、尿のアンモニアがニオイの原因。ドッグフードやおやつの成分で腸内の細菌バランスが崩れることで、腐敗臭を伴う悪臭になることもあります。
point 2ニオイの対策
  • 体臭
    不衛生な環境で過ごすことが悪臭のもとに。健康的で清潔な体を保つことが大切です。 ブラッシング 散歩から帰ったらブラッシングでホコリや汚れを無駄毛とともに取り除きましょう。雨降りや雨上がりの散歩は、塗れタオルなどで体を拭いてあげるのも、体臭を抑えるのに効果的です。 シャンプー 月1〜2回がシャンプー頻度の目安。シャンプーは皮膚へのダメージが少ない低刺激のものを選びましょう。すすぎ残しや生乾きは雑菌が繁殖しやすくニオイの原因になりますから、すすぎも乾かしもしっかりと。
  • 口臭
    不衛生な環境で過ごすことが悪臭のもとに。健康的で清潔な体を保つことが大切です。 歯みがき 毎日の歯みがきがベストです。難しい場合、歯みがきシートや犬用歯みがきペーストを布などにつけて歯の汚れを拭き取るだけでも効果あり。歯みがきガムを活用するのも一つです。 顔まわりをこまめに拭く しわの多い犬種やよだれが多めの犬種、口周りの毛が長いわんちゃんなど、食後のタイミングに濡れタオルや蒸しタオルで、顔まわりを拭いてあげましょう。
  • 便臭
    便臭はわんちゃんの体調の良し悪しの目安にもなります。以下の対策のほか、ニオイが普段と違うと感じたら、かかりつけの病院に相談するのも一つです。 食事を見直す ドッグフードやおやつの種類を見直すことで改善されることもあります。 なんらかの病気の可能性を疑う ストレスを感じたり体調不良のときも便臭が強くなる傾向にあります。