
マルチーズは、真っ白な被毛と穏やかな甘えん坊気質で、室内飼いに向いた小型犬です。成犬でも体重2〜3kg前後と小柄で、運動量もそれほど多くなく、集合住宅でも飼いやすい犬種です。ただし抜け毛は少ない一方で、毛が伸び続けるため定期的なトリミングと毎日のケアが欠かせません。この記事では、わんにゃんラブブリーダーとして多くのマルチーズを見送ってきた立場から、性格・大きさ・費用・迎える前に確認したいことを具体的にお伝えします。
「マルチーズって初心者でも飼える?」「毛のお手入れが大変そう」「よく吠えるって本当?」——見学やお問い合わせで、こうした声を何度もいただきます。愛らしい見た目に一目惚れして来られる方が多い一方、実際の暮らしぶりまでイメージできている方は意外と少ないものです。
マルチーズは室内犬として長い歴史を持つ、扱いやすさで人気の犬種です。とはいえ、小さくデリケートな面もあり、向き不向きはあります。ここでは、どんな暮らしに合うのか、どんな準備が要るのかを、現場で見てきた具体例を交えて整理します。読み終える頃には、ご自分にマルチーズが合うかどうか、落ち着いて判断できるはずです。
まず知っておきたいマルチーズの人物像
どんな性格・体格の犬か
- 穏やかで人懐こく、飼い主に甘えるのが大好きな室内向きの小型犬
- 成犬で体重2〜3kg、体高20〜25cm前後。抱っこしやすいサイズ感
- 抜け毛は少ないが、毛が伸び続けるため定期トリミングが必須
- 価格の目安は15万〜35万円ほど。毛質や血統で上下する
迎える前に押さえたい3つの視点
- 被毛ケアの手間を許容できるか。毎日のブラッシングと月1回前後のトリミングが前提です。
- 体の小ささゆえの繊細さを理解する。骨折や熱中症など、小型犬特有の注意点があります。
- 甘えん坊ゆえの寂しがりに向き合えるか。長時間の留守番は得意ではありません。
結論として言えること
- 一言で言うと、マルチーズは「室内でそばにいる時間を楽しめる人」に向いた犬です。
- 最も重要なのは、毎日のケアと、寂しがりな性格に付き合える生活リズムがあるか。
- 失敗しないためには、見た目の可愛さだけでなく、日々の手入れまで含めて判断することです。
性格・気質と暮らしの相性
甘えん坊で人懐こい、だからこそ寂しがり
マルチーズの魅力は、なんといってもその人懐こさです。飼い主にべったり寄り添い、膝の上でうとうとする姿は、多くの方が思い描くとおり。ただ、この甘えん坊気質は裏を返すと寂しがりでもあります。
実際にあった話です。日中ほとんど家を空けるご家庭にお渡しした子が、留守番中に吠え続けてしまい、ご近所への気遣いでご相談をいただいたことがありました。正直なところ、これはしつけ不足というより、マルチーズの甘えん坊気質と孤独が重なった結果です。よくあるのが、可愛さだけで迎えて、生活リズムとの相性を後から知るケースです。留守が多い方は、留守番トレーニングや環境づくりを前提に考えてほしいと、いつもお伝えしています。
見学に来た一人暮らしの方に「日中は仕事でいないんですが大丈夫でしょうか」と聞かれたとき、私は正直に答えます。数時間なら問題ありませんが、朝から晩まで毎日一人だと、マルチーズには寂しい時間が長すぎます。帰宅後にしっかり向き合える方であれば、十分に幸せに暮らせます。
賢く物覚えは良いが、吠え癖には早めの対応を
マルチーズは賢く、トイレやコマンドの覚えも比較的スムーズな犬種です。ただ、警戒心から来る無駄吠えが出やすい面もあります。ケースによりますが、子犬期に「吠えても要求は通らない」という一貫した対応を積み重ねると、ずいぶん落ち着きます。
実は、私も昔、吠えるたびに構ってしまい、かえって吠え癖を強めてしまった経験があります。良かれと思った対応が逆効果でした。マルチーズのしつけは、叱るより「静かにできたら褒める」を根気よく。小さな体でも、しっかり学習してくれます。
大きさ・お手入れ・健康と費用の現実
運動量とサイズ、暮らしやすさ
マルチーズは成犬でも体重2〜3kgと小柄で、必要な運動量も多くありません。1日2回・各15〜20分程度の散歩と、室内遊びで十分まかなえます。集合住宅でも飼いやすく、留守番の寂しさ以外の点では手のかかりにくい犬種です。
ただ、体が小さいぶん繊細です。高いところからの飛び降りで骨折したり、暑さに弱く熱中症になりやすかったり。小さなお子さんが強く抱っこして怪我をさせてしまう例も見てきました。可愛いからこそ、扱いには落ち着いた配慮が要ります。
毎日のケアとかかりやすい病気
マルチーズは抜け毛が少ない一方で、被毛が伸び続けるシングルコートです。毛玉になりやすいので、毎日のブラッシングと、月1回前後のトリミングがほぼ必須。目の周りの涙やけのケアも欠かせません。この手入れを「楽しめる」か「負担に感じる」かで、暮らしの満足度が大きく変わります。
健康面では、膝のお皿がずれる膝蓋骨脱臼、涙やけや流涙症、心臓の僧帽弁閉鎖不全症、皮膚トラブルなどに注意が必要とされています。個体差はありますが、迎える前に親犬の健康状態を確認できるブリーダーから選ぶと安心です。
価格帯の目安と入手のしやすさ
マルチーズの子犬の価格帯は、おおむね15万〜35万円が目安です。毛質、血統、月齢、地域によって上下します。古くから人気の室内犬で流通量も比較的安定しており、全国のブリーダーで見つけやすい犬種です。ただし、毛量や骨格の良い子は人気が集中し、待機が出ることもあります。
ちなみに、犬の販売は動物愛護管理法に基づき第一種動物取扱業の登録が必要で、生後56日を過ぎるまで販売できません。2022年6月からは販売犬へのマイクロチップ装着も義務化されています。登録情報や親犬の様子をきちんと見せてくれるブリーダーかどうかは、信頼できる相手を見分ける一つの目安になります。
他の犬種と迷ったときの判断軸
「白くて可愛い室内小型犬」で比較する人が見ているポイント
見学に来られる方の多くは、マルチーズとトイプードル、ビションフリーゼあたりで迷っています。よくあるのが、白くてふわふわという見た目の共通点だけで選ぼうとして、性格や手入れの違いを見落とすパターンです。私がいつもお伝えしている判断軸は、次の4つです。
- 甘えん坊度と留守番——マルチーズは特に甘えん坊で寂しがり。留守が多い生活だと負担が大きくなります。
- 手入れの手間——毛が伸び続けるため、毎日のブラッシングと月1回前後のトリミングが前提です。
- 吠えやすさ——警戒心から吠える面があり、集合住宅では早めのしつけが要ります。
- 体の繊細さ——2〜3kgと小さく、骨折や熱中症に注意。扱いに落ち着いた配慮が要ります。
これらは自社の犬をすすめるための基準ではありません。他のブリーダーやショップで比較する際にも、そのまま使ってもらえます。マルチーズが自分に合うかは、この4点を生活に当てはめれば見えてきます。
迎えた後によくある「こんなはずでは」を先回りする
実際にあった相談で多いのが、「留守番中に吠えてしまう」というものです。甘えん坊な気質を知らずに、日中不在の生活で迎えたケースがほとんどです。逆に、帰宅後にしっかり向き合える生活で迎えたご家庭では、こうした戸惑いは起きません。正直なところ、マルチーズとの相性は「見た目の好み」より「そばにいる時間を作れるか」で決まります。ここを迎える前に受け止められるかどうかを、落ち着いて考えてみてください。
迎える前によく聞かれること
Q1. マルチーズは初心者でも飼えますか?
1. 小型で運動量も少なく、初心者にも比較的飼いやすい犬種です。2. ただし毎日の被毛ケアと定期トリミングが前提になります。3. 手入れの手間を許容できるかが判断基準です。
Q2. トリミングはどのくらいの頻度・費用ですか?
1. 月1回前後が目安で、1回あたり5,000〜8,000円ほどが相場です。2. 毎日のブラッシングも欠かせません。3. 年間の維持費に組み込んで考えるのが現実的です。
Q3. よく吠えますか?
1. 警戒心から吠えやすい面はありますが、しつけで十分に抑えられます。2. 子犬期に「静かにできたら褒める」を積み重ねるのが効果的です。3. 集合住宅では早めの対応が安心です。
Q4. 留守番は得意ですか?
1. 甘えん坊で寂しがりのため、長時間の留守番は苦手です。2. 数時間程度なら可能ですが、毎日長時間は不向きです。3. 帰宅後に向き合える生活リズムがあるかが大切です。
Q5. 抜け毛やアレルギーが心配です。
1. シングルコートで抜け毛は少ない犬種です。2. ただしアレルギーを完全に起こさない犬ではありません。3. 心配な方は事前に接触して体調を確認してください。
Q6. 寿命はどのくらいですか?
1. 一般的に12〜15年ほどと、小型犬らしく長寿傾向です。2. 適切なケアと健診で長く一緒に過ごせます。3. 高齢期は心臓の管理が特に大切です。
Q7. 涙やけはどうすればいいですか?
1. 目の周りを清潔に保つことが基本です。2. 毎日拭き取り、悪化する場合は動物病院で相談します。3. 食事や体質が影響することもあります。
Q8. 総額でどのくらい費用がかかりますか?
1. 子犬の価格が15万〜35万円、初期用品・医療で数万円が目安です。2. 加えて毎月のトリミング費が継続してかかります。3. 生涯コストを見込んで迎えると安心です。
最後に整理しておきたいこと
- マルチーズは穏やかで人懐こい、室内向きの小型犬。
- 抜け毛は少ないが毛が伸び続けるため、毎日のケアと定期トリミングが前提。
- 甘えん坊で寂しがりのため、そばにいる時間を楽しめる人に向く。
- 価格の目安は15万〜35万円。親犬の健康や登録情報を開示するブリーダーから迎えるのが安心。
ここまで読んで「うちの暮らしに合いそう」と感じたなら、次は実際の子を見てみる段階です。焦らず、複数のブリーダーを比べ、親犬の様子や毛質、飼育環境を確かめたうえで、納得できる相手から迎えてください。
わんにゃんラブでは、全国のブリーダーが育てるマルチーズの子犬を探せます。気になる子がいたら、まずは無料の会員登録をして、事務局へのお問い合わせから見学の相談をしてみてください。ゆっくり選びたい方は、子犬・子猫を探すページから、暮らしに合う一頭を探すところから始めてみてはいかがでしょうか。
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